第26回(2024年)福岡デザインアワードのノミネート商品が決定しました!

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Design story ~ふるさとズ~

2023年 第25回 福岡デザインアワード 大賞受賞

株式会社サンカクキカク
代表取締役社長 宇佐川 桂吾 さん

 

現地で体験、納得して応援する全く新しいカタチのふるさと納税

 

 ネット通販型サイトが定番になっているふるさと納税。事前決済や商品到着までの待ち時間など、不便な点も少なくない。そんな固定概念を覆すサービスが、「店舗型ふるさと納税®『ふるさとズ』」だ。現地に訪れた際のゴルフやマリンスポーツといった体験など「現地で支払う費用」をそのままふるさと納税にできる仕組みが好評を呼んでいる。仕掛人となったのは、福岡県久留米市にある株式会社サンカクキカク。このサービスの発案者でもある代表の宇佐川氏に開発に込めた想いや目指す未来像を伺った。


返礼品は、ゴルフやマリンスポーツといった体験型のサービスも多い。
その場で納税できる気軽さから、全国での寄附者は増え続けている。

 

” ふるさと ”だと思える場所が増えたら、きっと楽しい


 「ふるさとズ」という名前は、ふるさとだと思える場所が増えていくのって、楽しい。そう思える人が増えたら、日本がもっとよくなるんじゃないかという想いから生まれました。応援したい場所をチョイスするのではなく、増やしていく。私たちは企画とデザインの力で変化を起こす企業として、以前から多くの自治体とお取引があり、その中で、ふるさと納税には地域に共通の課題があると感じていました。だから、「ふるさとズ」がその課題解決の橋渡しとなり、地域活性化の起点になればと思ったんです。

 〈ふるさと納税の地域の課題〉
 ① 自治体の業務負担
 ② 返礼品として「モノ」がある事業者しか参入できない
 ③ 寄附者に返礼品が届くまでに長い時間を要する

サービスの開発費は全てサンカクキカクが出資。
一度完成するも、ゼロからやり直したという強い想いを感じる開発秘話も。

 

デザインの力でITを「簡単」に、90代の利用者がいるのが自慢です


 デザインに関わる企業として、こだわったのは、いかに「簡単」なシステムにできるかということ。2021年11月のリリース後、自治体・事業者・寄附者と様々な方に改善点をヒアリングし、千回を超えるアップデートをしています。サイトデザインは、スクロールせず寄附ボタンを押せるように細部まで調整。その結果、いわゆるデジタル世代ではない80代・90代の方にもご利用いただけていますし、店舗のレジの方にはDX化の練習にもなっています。

スマホでの利用を意識したデザインを採用。利用者の使いやすさにこだわり、
自治体や事業者、寄附者の声を聞き、日々アップデートを迅速に繰り返している。

 

プレイヤーを明らかにするというもう一つの役割


 ふるさと納税の使い道って、意外と知られていませんよね。本当は、先に使い道があって、それを応援したいから寄附をするのがふるさと納税だと思うんです。だからこれからは使い道にもこだわりたい。例えば訪問先で寄附をする際に、お店の方が「この税金はこんなことに使いますよ」と語れたら、とてもいい場所だなと思うし、変化した地域を見たくて、再訪のきっかけにもなる。そうやって、ふるさと納税をアップデートしたいんです。
 最近は、地域の事業者から自治体に掛け合って、一緒に打ち合わせに来てくださることも増えました。地域を実際に盛り上げている事業者の方が手を挙げてくださることでプレイヤーが明らかになるので、寄附者が地域だけではなく、その方のファンになる可能性が増える。
 それにプレイヤーご本人も、人任せではなく地域への想いが強くなるんですよね。私たちは返礼品の相談も受けていますが、自治体や事業者の方が面白い提案をしてくれることが増えたのも、プレイヤーが明らかになり、みんなが積極的に地域の未来を考えてくれた結果だと感じています。

参加した店舗向けにチラシなどの告知ツールもデザイン。
気軽に利用してもらえるようにアピールしている。

 

ふるさと納税で集めた支援で地域の未来へ向けた取り組みを


 ありがたいことに、リリースから1年半で寄附額が2億円に到達しましたが、ふるさと納税の利用者はまだ15%程度。残り85%の方を取り込みたいです。「魅力的なものや場所がない」という自治体も、第三者から見たらその土地だけの財産がたくさん。こうして日本中に魅力的な場所やサービスが生まれたら、日本全体がよくなっていくはずです。それに、税金の使い道は環境保全や子どものための環境整備などSDGsに関するものが多い。ふるさと納税を通して、寄附文化を醸成し、富を再分配してみんなで豊かになっていけたらいいですよね。
 ふるさと納税はあくまで地域活性化のはじまり。そこに住む人たちが地域の未来について考え、町や人が元気になるための最初の一歩にしてほしい。ふるさと納税の先を見据えたご相談も増えていて、これからが楽しみです。

地域や日本の未来について熱く語る宇佐川氏。
100件を超える自治体から導入の相談があり、宇佐川氏は日本全国を飛び回り地域の魅力を発掘している。

店舗型ふるさと納税®ふるさとズ

常陽カントリー倶楽部(茨城県つくばみらい市)

「ふるさとズ」の試験導入を行った、茨城県つくばみらい市。日本初の「ゴルフ場deふるさと納税」をキャッチコピーに、市内3つのゴルフ場で導入。ゴルフ場の利用料をふるさと納税の返礼品として受け取れる画期的なアイデアが利用者に喜ばれ、約半年間で5,000万円以上の寄附を集めた。

 

地域の魅力を見つけ応援したいふるさとを増やしていく

「何もない」と思っている地域にも必ず魅力があります。
自治体と協働してその土地ならではの魅力を発掘し、寄附者にかけがえのない体験を贈る。
「ふるさとズ」を通して「幸せの連鎖」がはじまっています。

 

『ふるさとズ』マップ
全国で導入をいただいている自治体をマップでご紹介しています。
お近くにある『ふるさとズ』をご利用いただける店舗を、地図上でご覧いただけます。

店舗型ふるさと納税®
ふるさとズ
https://furusatos.com